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不動産売却の手引き

不動産売却では名義変更が必要!手続きの流れと注意点

公開:2024.11.28 更新:2024.11.28
不動産売却では名義変更が必要!手続きの流れと注意点
引用元:photoAC

不動産売却で名義変更を行うタイミングは、引き渡し当日や相続による譲渡時が理想的です。引き渡し後に名義が異なると問題を引き起こす可能性があり、名義変更を長期間先延ばしにすると手続きが難航する恐れがあります。

相続登記義務化により、名義変更を行わないと過料や他の法的リスクが発生するため、速やかに手続きを行うことが重要です。名義変更の費用には登録免許税や司法書士費用が含まれ、手続きは引き渡しや代金受け取り時に行うことが推奨されます。

不動産売却で名義変更をするタイミング

不動産売却で名義変更を行うタイミングは、いくつか挙げられます。例えば、引き渡しが行われた当日や相続によって不動産を譲り受けた場合などです。

こちらでは、不動産売却で名義変更を行うタイミングについて、それぞれ、詳しくご紹介いたします。

◇引き渡しが行われた当日に行うのが理想的

相続登記以外であれば、名義変更における法的義務や変更期限などは定められていません。しかし、引き渡しが行われた後に所有者と名義人が異なっていると、さまざまな問題を引き起こす大きな要因となってしまいます。

また、長期間にわたり、名義変更が行われずにいた場合は変更手続きが難航する可能性が非常に高くなります。そのため、不動産を譲り受けた場合は引き渡しが行われた当日に行っておくとよいでしょう。

◇相続によって不動産を取得した場合も必要

不動産の所有者が亡くなると、その不動産の所有権は法定相続人に移転しますが、相続が発生したからといって、必ずしも法務局の登記情報が自動的に更新されるわけではありません。そのため、相続人は相続登記を行い、法務局に名義変更を申請することが必要です。

登記簿に記載された所有者の情報が更新されないままだと、実際の相続人が誰であるかが分からなくなり、不動産の売却や融資の申し込みなど、さまざまな手続きで問題が発生する可能性もあります。

名義変更を行わないと過料が科される可能性も

不動産を相続した場合、相続登記が義務化されているため、不動産の名義変更を怠ると罰則として過料が課される場合があります。不動産を譲り受けた際は速やかに相続登記を済ませることが重要です。

こちらでは、名義変更を行わない場合に考えられるリスクについて、詳しくご紹介いたします。

◇不動産売却ができない

不動産の売却は、原則としてその名義人が行うものとされています。そのため、不動産の名義変更が行われていない場合、売却手続きを進められません。

例外として、名義人が売却に同意しており、代理権を明確に証明できる場合には、代理人による売却が可能です。しかし、代理人として他人名義の不動産を売却する場合、売却後にトラブルが発生するリスクが伴います。名義の不一致や契約上の齟齬が原因で、法的な問題に発展する可能性も考えられます。

そのため、他人名義の不動産を売却する際には、事前に名義変更を済ませたうえで売却を進めることで、安心して取引を行うことができます。

◇相続不動産の場合は過料の対象となる

2024年4月1日より、不動産を相続した際の相続登記が法律で義務化されました。この新たな規定により、不動産を相続した場合には、速やかに名義変更を行う必要があります。

名義変更を行わないままでいると、不動産の売却が難しくなるだけでなく、過料が科される可能性があります。また、その他にも以下のようなリスクが生じる恐れがあります。

・不動産を担保として利用できない
・固定資産税の負担が増加する場合がある
・相続人が増えることで手続きが複雑化する

さらに、名義変更を行っていない場合でも、不動産の管理責任や固定資産税の納税義務は発生します。そのため、不動産を相続した際には、早めに名義変更手続きを進めることが重要です。

名義変更の手順と手続きにかかる費用の目安

名義変更
出典:photoAC

生前贈与などではないかぎり、あらかじめ、不動産の相続が必要なタイミングを予測することは困難です。そのため、実際に不動産を相続された方の中には、名義変更手続きにご不安を感じられている方も多くいらっしゃることでしょう。

こちらでは、大田区および品川区で名義変更手続きをご検討中の方に向けて、名義変更の手順と手続きにかかる費用の目安について、詳しくご紹介いたします。

名義変更の手順

名義変更を正確に進めるには、適切な手順を踏むことが重要です。以下では、不動産売却時の、名義変更の一般的な手続きの手順を解説します。

・名義変更の申請者と申請先
不動産の名義変更は、原則として登記権利者と登記義務者が共同で行う必要があります。不動産売買の場合、登記権利者は買主、登記義務者は売主に該当し、両者が協力して申請手続きを進めます。

申請先は不動産所在地を管轄する法務局に限定されます。そのため、手続き前に正確な管轄を確認しておくことが大切です。

・名義変更の手順
名義変更の準備は、売買契約の締結と頭金の受け取りが完了した段階から始めます。このタイミングで必要書類を整え、決済日および物件引き渡し日に法務局へ提出します。

売買契約から引き渡しまでには通常1か月程度の期間が設けられるため、この間に必要書類を準備しておくと手続きがスムーズに進みます。

法務局で申請を行った後、1~2週間程度で登記簿謄本に反映され、名義変更の手続きが完了します。

◇名義変更にかかる費用の目安

名義変更を行う場合に必要となる費用として、登録免許税、必要書類の準備費用、司法書士へ支払う費用、その他の費用などが挙げられます。

登録免許税は手続きにより、税率が異なり、国税庁によると、土地の場合は不動産価格の1.5%(令和8年3月31日まで)、建物の場合は不動産価格の2%を登録免許税として、支払わなくてはなりません。また、必要書類の準備にかかる数千円に加え、司法書士へ名義変更手続きの依頼をされる場合は5~8万円ほどの費用が必要となってきます。

不動産売却時に名義変更を行う際の注意点

不動産売却をスムーズに進めるためには、いくつかの注意があります。実際に不動産の売却と同時に名義変更をご検討中であれば、大田区や品川区にかかわらず、それを念頭に置いておくとよいでしょう。

こちらでは、不動産売却時に名義変更を行う際の注意点について、詳しくご紹介いたします。

◇引き渡しや代金の受け取り時に行う

不動産の売却に伴い、名義変更を行う場合は引き渡し時や代金の受け取り時に行うことが推奨されます。その理由として、代金を受け取る前に名義変更を行ってしまうと、買主がお金を払わずに逃げてしまうおそれがあるためです。

また、引き渡し時や代金の受け渡し時に名義変更を行えない場合、不動産の買い取りを見送られてしまう可能性があります。そのため、引き渡し時や代金の受け取り時に名義変更を行えるよう準備を整えておくことが重要です。

◇相続財産の場合は手続きに時間がかかることがある

相続財産とは、相続によって引き継がれる財産のことを指します。相続財産の不動産では、共有名義や過去の名義変更の未処理が問題を複雑にし、名義変更の手続きに時間がかかることがあります。

例えば、共有名義の場合、他の名義人の同意なしに売却できず、交渉や持ち分の買い取りが必要です。また、祖父母から親へ受け継がれた不動産で名義変更がされていない場合、過去の相続をさかのぼり、全相続人の同意を得る必要があります。

相続人が亡くなっている場合や連絡が取れない場合もあり、手続きに時間がかかるため、早めの名義確認と対応が重要です。


不動産売却時における名義変更は、引き渡し当日や相続による譲渡が発生した場合に速やかに行うことが重要です。名義変更を行わないまま放置すると、所有者と名義人の不一致により、不動産売却や融資などの手続きが進められず、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。

また、名義変更が長期間行われないと、手続きが複雑化する場合もあります。特に、相続不動産の場合、2024年4月の相続登記義務化により、名義変更を怠ると過料の対象となり、他にも不動産の売却が進められない、担保として利用できないといった不利益が生じます。

名義変更にかかる費用には、登録免許税や必要書類の準備費用、司法書士への依頼料などが含まれます。登録免許税は土地では不動産評価額の1.5%、建物では2%が課税されるため、早めの資金計画が求められます。

また、手続きには必要書類をそろえる時間も必要であり、引き渡しや代金受け取り時に合わせて準備することが推奨されます。売却手続きでは、名義変更を行わないと所有権の移転ができず、買主が代金を支払わずに契約を破棄するリスクも考えられるため、名義変更を代金受け取り後に行うことでトラブルを防げます。

相続財産の不動産においては、共有名義や過去の名義変更未処理などの問題が絡むと、さらに手続きが複雑化する可能性があります。過去の相続分をさかのぼる必要がある場合、相続人全員の同意を得るために多大な時間がかかることがあるため、相続発生後は速やかに手続きを進めることが求められます。