住宅ローンが残っていても住み替えは可能?成功のためのポイント
住宅ローンがまだ残っている場合でも、住み替えは可能です。大田区や品川区での不動産売却を検討している方は、適切な手続きを踏むことで、スムーズに住み替えを実現できます。
ローン残債がある場合は、売却によって得た資金でローンを完済することが重要です。住み替えを成功させるためには、資金計画を慎重に立て、適切なタイミングで売却や購入を進めることがポイントとなります。
目次
住み替えにかかる期間と主な理由
長い人生の中で、生まれてからずっと同じ家に住み続ける人は少なくなってきています。大学入学や就職、転勤などで何度か引っ越しを繰り返した経験がある方も多いでしょう。ここで注意したいのは、「引っ越し」と「住み替え」の意味の違いです。
◇住み替えとは?
子どもが生まれて今住んでいる家が手狭になったり、老後に備えて生活の規模を縮小したいと考えたりしている際には、住居を変える必要性が出てきます。このときに、現在住んでいるマンションや一軒家を売却して、新しい物件を購入するのが住み替えです。いわば、不動産の売買が伴った引っ越しが住み替えといえるでしょう。
ただ単に、現在住んでいる賃貸住宅の契約を解約して別の賃貸住宅に住むだけでは、住み替えという言葉は用いられません。
◇住み替えの主な理由
住み替えの主な理由としては、次のようなものが挙げられます。
通勤・通学に不便を感じたとき
国土交通省が実施している住生活総合調査によれば、住み替えの理由として最も多いのが「通勤・通学に不便を感じたとき」です。転勤になって通勤時間が著しく増加した、あるいは子どもが中学生になって、通学時間が以前の倍かかるようになったようなケースでは、住み替えを検討する家庭が圧倒的に多くなっています。
家族構成が変化した
子どもが生まれた、あるいは長男が他県の大学に進学 ・就職して家族構成が変化した場合にも、住み替えを考える必要があります。将来、離れて暮らしていた子どもと二世帯同居をする予定があるといったケースにも、住み替えが便利です。
老後に備えたい
2階建ての一軒家に住んでいるけれど、以前は苦にならなかった階段の上り下りが辛くなってきた、近くにスーパーマーケットのある便利な環境に移りたいと考えている家庭には、住み替えが最適です。
◇住み替えにかかる期間
住み替えにかかる期間は、最短で3ヶ月、時には1年かかることも珍しくありません。そのため、十分に準備を整えた上で、計画的に段取りを進めていくことが大切です。
住み替えの方法とそれぞれの注意点
画像出典:フォトAC
住み替えには、「売却先行」「購入先行」「同時進行」の3つの方法があります。
◇売却先行
売却先行というのは、今住んでいる住居をまず売却し、その後新しい住居を購入する方法です。先に持ち家を売るため、無理のない資金計画ができるのが売却先行の大きな利点です。ただし、家を売却してもなかなか住み替え先が見つからない場合には、仮住まいの家賃がかさんでしまう点が課題です。
◇購入先行
購入先行は、住み替え先の家を先に購入してしまってから、現在住んでいる持ち家を売る方法です。購入先行の場合、今住んでいる家から仮住まいに移る必要がないため、引っ越しが1回で済むという利点があります。ただし、持ち家がなかなか売れないと、新しい家のローンの資金繰りに苦労する可能性があります。購入先行は、手持ち資金に余裕がある人におすすめの方法といえるでしょう。
◇同時進行
売却と購入を同時に行うのが、同時進行です。売却と購入の日にちが同日、あるいは数日間の差であれば、仮住まいと引っ越しに余分な費用をかける必要もありませんし、新居のローンも無理なく返済していけます。同時進行ではタイミングが重要なので、担当の不動産会社とよく相談しながら手続きを進めていくことが大切です。
住宅ローンが残っていても住み替えは可能?
住み替えをする際に、気になるのがまだ払い終えていない住宅ローンです。基本的に、住宅ローンが残っていても住み替えは可能ですが、方法をよく検討し、損のない住み替えをしたいものです。
◇完済していなくても住み替えは可能
住宅ローンを完済していなくても、売却によって得たお金でローンを完済すれば、住み替えは可能です。住宅ローンを組む際には、「抵当権(銀行の権利)」が設定されています。抵当権を抹消するためには、住宅ローンの残債を一括返済することが重要です。
不動産売却の当日に、売主が住宅ローンを組んでいる銀行の担当者と司法書士が引き渡し現場に同席し、抵当権抹消および所有権移転の登記手続きを同時に行います。
◇オーバーローンの際利用可能な住み替えローン
住宅ローンの残債が不動産の売却額を上回っている状態は「オーバーローン」と呼ばれ、たとえ一括返済ができなくても、「住み替えローン」を利用することが可能です。
現在の持ち家よりもハイグレードな住宅を購入する際などに、住み替えローンがよく使われますが、取り扱っている銀行が少ない点に注意しなければなりません。審査基準が通常の住宅ローンよりも厳しいのも、住み替えローンの懸念点です。
不動産売却で住み替えを成功させるために
大田区や品川区の不動産売却で住み替えを成功させるためには、売却のタイミングをきちんと見極め、住み替えに要する費用をできるだけ抑えることがポイントです。
◇売却に適したタイミング
住み替えをする際に最も失敗しにくいのが、売却先行です。現在住んでいる家を売却し、新しい家の購入に充てるわけですから、資金繰りに苦労する心配がありません。売却した金額がいくらかが既に分かった上で新しい家を決めるため、予算オーバーになるリスクないでしょう。購入先行と違い、持ち家を焦って安値で売却する必要がないのも売却先行の利点です。
さらに、住宅ローンが低金利のときを見計らい、住宅ローン控除の上限年数以降に売却できれば、損失を最低限に抑えられます。住宅ローンの控除期間は10年、控除額は年末借入金残高の1%が原則です。
◇住み替えに関する費用を抑える
住み替えの際には引っ越しの費用やハウスクリーニング代などがかかるものですが、ちょっとしたポイントを押さえることによって費用を削減できます。例えば引っ越しに関しては、時期によって費用が 数万円から10万円前後違ってくることもまれではありませんので、可能であれば引っ越し時期を考えながら 住み替えを実行するのが得策です。
持ち家のハウスクリーニングが必要で、さらに中古物件に住み替えするのであれば、ハウスクリーニングを2件同時に依頼して値引きしてもらうのも1つのアイデアです。
たとえ数万円の差でも、1つひとつの費用を見直すことで、出費を抑えられます。
住み替えとは、現在の住居を売却して新しい物件を購入する不動産取引を伴う引っ越しを指します。住み替えの理由としてあげられるのは、通勤や通学の不便さ、家族構成の変化、老後の生活環境の見直しなどです。
住み替えには「売却先行」「購入先行」「同時進行」の3つの方法があり、それぞれに利点と注意点があります。例えば、売却先行は資金計画が立てやすい一方で、仮住まいの費用がかさむリスクがあるでしょう。
また、住宅ローンが残っていても、売却によってローンを完済すれば住み替えは可能です。オーバーローンの場合でも、住み替えローンを利用することで新しい物件への移行ができますが、審査が厳しいため注意が必要です。
住み替えを成功させるためには、売却のタイミングを見極め、住み替えにかかる費用を抑える工夫が大切です。